[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ :

───1995年 アウターヘブン

[アウターヘブン] エイハブ : 目を覚ませば
けたたましい警告音が鳴り響く中
俺は壁にもたれかかり、ピクリとも身体を動かせない。

[アウターヘブン] エイハブ : …………メタルギアは、破壊された。
あの蛇が……"やりすぎた"
"やりすぎた"のだ。

[アウターヘブン] エイハブ : 図らずとも
彼は───『血の運命』を辿る事になるだろう。
だが、俺は忠を尽くす。口を開く事はなかった。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ : メタルギアの破壊によって、自爆装置が起動している。
だが……そうはならなくとも、このアウターヘブンは……

『空爆』によって爆破される事がすでに、情報として入ってきていた。

[アウターヘブン] エイハブ : ───"イシュメール"は戦争孤児と、捕虜を
その前に、救出しようと駆け回っている頃、だろう。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ : 今度ばかりは強心剤ではどうにもならない。

[アウターヘブン] エイハブ : 俺は、アウターヘブンは

あと"数分"で煙となって消え失せる…………。

[アウターヘブン] エイハブ :
    ブルーアーカイブ
全ては『青い記録』にすら、なる事もなく
海へと、その骨も土へと還る事だろう。

[アウターヘブン] エイハブ :
       アシタナシ
俺にもう"明日は残されてもいない"。

[アウターヘブン] エイハブ : …………ただ間違いないのは、俺という存在がこの場所で目覚めた事で

      ワンピース
欠けていた『一片』が埋まり、"再び時を動かした事"。

[アウターヘブン] エイハブ : もう"幻想"を見る事すらも、叶わないだろう。
俺は……『悪魔』として、この世から消える。

[アウターヘブン] エイハブ : 「…………」
俺は、ゆっくりと目を閉じた。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン]   : ───その時、何かが咽び泣く。

[アウターヘブン]   : ……『犬の声』がした。

[アウターヘブン] エイハブ : 目を開けば、そこには

懐かしい顔触れが、俺の前に立っていた。

[アウターヘブン] エイハブ : そして、瞬きを挟めば。
───………

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ : そうか

[アウターヘブン] エイハブ : お前は、ずっと俺の傍にいたのか。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ : …………
そうか。

[アウターヘブン] エイハブ : もう

[アウターヘブン] エイハブ : 銃を持たなくても───いいのか。

[アウターヘブン] エイハブ : ───クワイエット。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン] エイハブ : 俺が目を落とすと
そこには、SPW財団のエンブレムが

確かについていた。

[アウターヘブン] エイハブ :  

[アウターヘブン]   : BIGBOSS……

アンタは『イシュメール(生きる)』
俺は……

[アウターヘブン]   : 『エイハブ(死ぬ)』 

[アウターヘブン]   :  

[アウターヘブン]   : 1995年

 BIGBOSSのファントム、ソリッド・スネークによって殺害される。

[アウターヘブン]   :